今年に入って、仕事が慌ただしく動いている。それも悪い方向へ動くものが多い。
一つ、今月頭でなくなった仕事。
雑誌の売れ行きが良く、経営サイドは月刊化に踏み切ったが、制作サイドはそれに否定的。結局、制作サイド(編集、デザイン)総入れ替えで実質リニューアル月刊化。いい内容になればいいが、新体制の制作の人間は編集、デザインともに本の内容に対して知識なし。
すでに元デザインのアートディレクターのブログに苦情(?)の書き込みが……。
専門誌というと、一般の方は内容に精通した人が作っていると思われがちですが、実際はそうでもないんですよ。それこそ、パソコン専門誌の編集者なのにその編集部に入って初めてまともにパソコン使ったとか、釣り雑誌なのに、入社して初めて釣りをしたとか。
プロ意識を持って編集をしている人間ならいざしらず、サラリーマン意識の高い編集者の中には、仕事を回して本を出せば十分、っていう人も(というか知識がないからそれしかできない)いるんです。
もちろん編集者やライターは、プロとしてはある程度未経験のジャンルでも対応できなくてはいけない。ですが、当然、本のクオリティを考えたらその手の内容に精通していないと本当にいいものは作れないのも事実。エディトリアルデザイナー(雑誌の誌面をデザインする人)に至っても、そのジャンルの知識があるかないかでは、(編集が仕事のできる人間なら問題ないけど)内容に差が出るのは歴然。
とはいえ、専門知識がある編集部員がいても、悪い会社もある。
もう一つ、今月でなくなった仕事。
無くなったのは別にこちらのミスではなく、相手の一方的な理由。
メインの編集さんから次回の打ち合わせの電話が来たときに、『請求書で1cのデザイン料が4cで来てた話、行ってますか?』と全く意味の分からないことを言われた。
そもそも、前任者から仕事を引き継いだときに、当時の編集長と『ページ単価は前任者と同じく4c(いわゆるカラーページ)、1c(モノクロページ)に関わらず一律○○○○円』となっていて、仕事を始めた約1年前からそれで請求書を出していた。ちなみに言われた1cページの値段は4cページの半額。
単純に1cだから半額、などと言われても、デザイン上の作り込みは1cも4cも一緒。むしろページによっては1cの方が手がかかることもある。これではこちらも納得がいく訳がない。
で、上記のページ単価の経緯を伝えて、一年近くな〜にも言われていなかったのに突然そんなことを言われても困ると伝えると、
『あとで経理担当者に連絡させます』
と言われたのでその場は電話を切る。
その後、電話に出れなかったが経理担当者から留守電が入っていたので聞いてみると、ただ『請求書で1cのデザイン料が4cで来てたので再発行して下さい』という内容だけ。そもそもそんな値段の話は聞いていないし、もし初めに話をしていたら1年前の初回請求時に気がついているはずだし、まったく話にならない。
で、そのあと現編集長から電話があって、突然、『経営が厳しいのでデザインは前回で終わりにして欲しい』とのこと。通常であれば値下げ交渉が先なのだが、そんな話もなくいきなり事実上の首。これはまったく筋も通っておらず、通常ではあり得ない話。
さっきの値下げに続いて、連続で筋の通らない訳の分からない話。
あとから値段を半額で、なんて言ってくる会社は信用できないので、こちらも仕事を断る覚悟はできていたので仕事打ち切りについてはすんなり承諾。ただし、いわれもない値下げについては引き下がる訳に行かない。
で、当然そんなのは困ると言うと、
「今までの分は仕方ないので請求はしません」
と、なんとも恩着せがましい態度。さらに、
「でも今回の請求分は半額じゃないと困る」
ハァ? 困る? 本当に困るのはどっちだと思ってるの?
本当に話にならない。一度も言われていない金額に対してそんな強気に出られても。値下げ交渉が事前にあったのならもちろんこちらも譲歩するけど、請求書を出して2週間たった後にそんなことを言われて聞けるかっての。
最後は、
「仕方ないのでこちらでなんとかします」
もう話にならないので文句は言わなかったけど、はっきり言って始末の悪い会社。
話の流れから、なんとなくこれもこちらを打ち切るための口実に聞こえてくる。そもそも、編集部の体制が悪く、いつも徹夜対応させられていた仕事。こちらとしてはなくなれば楽になるのでほかに営業できるから別にいいんだけど、勝手にこちらを悪者にするのは会社として以前に人としてどうかと思う。
予算がないなら、あらかじめ相談してくれればその予算内で作れるようにこちらも努力することはできる。どんな安い仕事だって、こちらはプライドをかけて仕事してるんだから、手を抜くこともないし。
担当の編集さんはいい人だったんだけどなぁ。
同じ日に別件の打ち合わせに行っているとき、新規の仕事が入ってきたんだけど、なんだかんだでそれもお流れに。
その流れた理由って言うのが、そのお客さんが商品を発注した某メーカーの怠慢で、広告入稿期限ギリギリにならないとサンプルが揃わないので、お客さんの地元で広告を作るということになってしまった。その地元っていうのが青森なもんだから、これはなんとも仕方がない。
でも、その某大手メーカーの怠慢の理由って言うのが、『担当者が忘れてた』っていうんだからビックリ。その担当者はさらに大きな、日本人なら誰でも知っていそうな某大手メーカーから天下ってきた人だって言うから、これはもうなんだかなぁ、と思わざるを得ない。
その人が発注を忘れていたせいで、いったいどれだけの人が迷惑被っていると思っているのか。きっとその人にはまったくわからないんだろうな。なんてったって、客に対して逆ギレしたらしいし……。
周りでもなんだかいい話は聞きません。なんだかなぁ。
どうにもお客さんの目が肥えたというよりも、悪かろう安かろうを提唱する会社がとにかく増えてきた気がしてならない。もちろんこの景気だからそれもわからないでもないけど、だからこそ先々まで見据えてしっかりしたいいものを作って行かないと先が見えちゃうんじゃないのかな。
でも、今が踏ん張りどころなんでしょ。きっと。
無くなった仕事を埋めて余るくらいの仕事の話も来てるし(決まればだけど)、秋を目指して動くものが他にもあるし。
とにかく、前向きに頑張るっきゃないな。
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